マルぴょんござる!

マルぴょん それは日本古来より伝わる伝統の味…

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2012-05-22 [ Tue ]
 『梅雨の終わり』



深夜2時。携帯電話の着信音が部屋中に鳴り響いた。



今まさに眠りに落ちそうだった私は、閉じてしまいたい目を無理やり片目だけ開けベッドに横になったまま机の上に手を伸ばした。



机の上は散らかっていたが、いつも携帯電話はベッドから手を伸ばせば届く位置に置くようにしていたためすぐに見つかった。



折りたたみ式の携帯電話を開くと液晶のディスプレイが眩しい。



『着信 L 』



通話ボタンを押して耳にあてた時にはすでに着信は切れていた。



私は携帯電話を手に握ったままベッドに大の字になり暗闇の中の天井を眺めていた。



しばらくするとメールが届いた。やはりLからだった。



「久しぶりにどこかへドライブしない?」



今日は土曜の夜。いつもなら彼女は彼氏と一緒にいると思っていたのだが、今日に限ってどうしたのだろう。



「10分くらいで準備できる」



そう返事をすると



「それじゃ10分後位に家の前でクラクションを鳴らすね」



と返事が来た。夜中にクラクションなど鳴らされたら近所に迷惑だなと思ったが、メールを打つのが面倒だったのでそれ以上返事をしなかった。

私はベッドから起き上がると服を着替えた。

鳴らされるよりも前にこちらから声をかければいいのだ。



Lとは高校時代からの付き合いで、大学に入ってからはよく二人で当ても無くドライブしたものだ。

社会人になってLに彼氏ができ、それ以来お互い合う時間もなく疎遠になってしまっていた。会うのは卒業式以来半年ぶりだろうか。



私は適当に準備を済ませると先に表に出て彼女が来るのを待った。



初夏の夜は静かだ。

私は初夏の夜が1年を通して24時間のなかでもっとも静寂を与えてくれる時間に思える。

冬の夜はあわただしく寒さが鳴り響き人々を緊張させるが、それにくらべ初夏の夜は人々の無防備を受け入れる穏やかな寛容さがある。



私は深呼吸をすると夜空を見上げた。星は一つも見えなかった。曇っているのかもしれなかった。

近くの国道を走るトラックのエンジン音が聞こえた。

信号が赤から青へと変わったのだろう。



しばらくすると赤のクーパーが道端のコンクリートブロックに腰掛ける私の前で止まった。ロックの外れる音が聞こえた。私は助手席のドアを開け車に乗り込んだ。彼女は何も言わずアクセルを踏んだ。



「久しぶりじゃないか。会うのも、二人でドライブするのも」



私がそう言ってもLは返事をよこさなかった。



私は窓の外の風景を静かに眺めた。



少しして彼女は口を開いた。



「お腹減った。コンビニ寄る」



「ああ」



私は短く答えた。



コンビニエンスストアの照明が目障りなほど明るい。まるで威嚇するかのようなその光は、私の視界に入るなり喜んで私の目を射した。



駐車場はがらがらで1台の車も無かったが、Lはなぜか建物正面から離れた駐車場の隅っこの薄暗い場所に車を止めた。

ちょっとした買い物を済ます程度なら入口正面にとめてもいいはずなのに。

そう思った刹那、その理由を私はすぐさま理解した。



わずかに届くコンビニの照明にあてられ、薄っすらと見える彼女の横顔を一瞥したとき、ボロボロに崩れた化粧と真赤にはれた目元を見てしまったから。



私たちは車を止めてからしばらく黙ったまま何もせずただ座っていた。



私は何も見ていないフリをしながら車の窓の外を見るのに努めた。だがきっと彼女は自分の顔を見られたことに気が付いているだろうと思った。



私は車から降りた。



「腹減ったんだろ?何か買ってくるよ。なにがいい?」



私は車から降りたその場所で直立したままそう言った。この位置からだと車の天井があって彼女の腰のあたりから下しか見えなかった。

私はわざとそうした。

けどそれは車をいちいち暗闇に止め、くしゃくしゃになった顔を見られないよう努めたことに私が気付いていることの証明に他ならなかった。


だが彼女はそれに気がついただろうか?いや、彼女のことだ、気が付いているに違いない。



「まかせる」



その返答も、声がうわずみ泣きじゃくった後であることを悟らせないようにするための彼女の選んだもっとも短い返答だったに違いない。



コンビニの店内に入り何にしようか考えていたがその必要はなかった。こんな時間のせいか品薄でロクな物がなかった。



私はあまりもののメロンパンとパックの牛乳を買うと会計を済ませ車に戻った。



助手席に座ると彼女の顔を極力見ないようにパンと牛乳を渡そうとしたが、隠すことをきらめたのか、今度は彼女から私の方に顔を向けていた。



「ありがとう」



この声から、彼女の気分が少しは落ち着いてきていることが分かった。



Lはメロンパンの袋を破ると一口大きくほおばってから視線を顔の右上に泳がせ何か考えているようだった。



私はそれを不思議そうに眺めていたが何も言わなかった。この調子なら彼女の方から口を開きそうだった。



彼女は手に持っているメロンパンに視線を戻すと、口をもごもごさせながら私を一瞥して言った。



「これってさ、メロンパンのメロンの部分っていうのかな?このクッキーみたいな部分、これってなんで上側にあるわけ?」



「なに言ってるんだ、デコレーションなんだから見える位置にしなきゃ意味ないだろ。Lは足の裏に化粧したり鼻毛を染めたりするのか?」



「するわけないじゃないのばか。ひねくれてるところは昔と全然かわってないわね。いい?メロンパンの中で一番おいしいのはこのお化粧された、デコレーションされた部分なのよ。

でも口の中にいれるとき舌に触れるのは味気のない地味な生地の部分なの。つまりね、何が言いたいかというと、この形状はメロンパンを美味しく食べる上で合理的じゃない!ってことなの」



「噛んでるうちに混ざるだろ?あんまり関係ないよ」



「どうかしら?確かに噛んでいれば混ざるでしょうけど、生地と混ざった後じゃ本当の味も半減してしまうと思わない?」



「さー、どうだろうな。それにしても、文句たれながらメロンパン食う女なんて初めてみるぜ。せめて口の中の物なんとかしてからにしろよ」



Lはハッと気がついた表情をし、牛乳でメロンパンを流し込んだ。



「文句が言いたかったわけじゃないのよ。なぜこういった形状になったのか、どうしたらより良い物になるのか。そう考えてみたかっただけよ」



「へぇ、面白い事考えるな。でもLはちょっとばかり頭が固いぜ」



私はそう言い彼女からメロンパンを取り上げると、それを逆さにして食べて見せた。



「あっ」



「なるほどな、確かにこのクッキーの部分が先に舌に触れたほうがうまいかもしれない」



「意外と賢いのね」



「ひねくれてるだけだよ」



私がそう言うと、彼女は今日初めて笑った。



その時Lの笑顔に反して、薄っすらと見えた涙の跡が私に聞きたかった事を思い出させた。



私は言った。



「今日、何かあったのか」



「うん。…さっきね、彼氏にふられちゃった」



「そうか」



「これからどうしたらいいんだろう、私には彼しかいなかったのに…。どうしよう…」



彼女の目がうるんだかと思うと次の瞬間には大粒の涙がこぼれそうになっていた。



「どうしよう…」



うつむきながら泣きじゃくりそう繰り返す彼女に、私はメロンパンを眺めながら言った。



「しょうがねえな。俺と一緒にメロンパンでも作るかぁ」



Lはうつむいたまま嗚咽を漏らしていたが、しばらくすると小刻みに震えだした。



よく聞くとそれは嗚咽ではなかった。次の瞬間、彼女は声を上げて笑った。



「そんな慰めのセリフ聞いたことないよ!」



Lは手さげバッグからハンカチを取り出すと涙を拭った。



「あーあ、涙なんて吹き飛んじゃった。よーし、今からど行こう。海にでも行こうか?」



「2時半か、こんな夜に行く場所なんて選べないだろ。でも俺は、窓の外の流れる風景が見れればどこへでもいいよ」



「それいいわね。私がそうするわ。運転かわって」



「おい、ちょっと…」



Lは私の返事を無視して車を降り助手席側に回ってきた。



私は軽くため息をつくとしぶしぶ運転席へと移動した。



「それじゃ、昔よくいった海を見に行こう」



私はそう言い車を発進させると、Lはオーディオのスイッチを入れた。車の中が彼女のお気に入りの音楽で満たされた。



しばらくして雨が降ってきた。大降りではなかったが小雨というには少し強かった。



「きっとこの雨があがったら、梅雨も明けるだろうな」



私は独り言のようにそう言ったが、オーディオの液晶から放たれる明かりに照らされフロントガラスに映されたLは、外の景色を眺めながら小さくうなずいたように見えた。

彼女は靴を脱ぐと座席の上に膝を立ててうずくまる様に座った。



私たちを乗せた車は夜の国道を東へ、海へと走る。



私は気付いていた。



途中、Lがオーディオのボリュームをさらに上げたのは、窓の外を見ながら泣いていることを私に悟らせないためだということくらい。








ワイパーがよけた雨がフロントガラスの窓枠をつたい風に弾ける。





この雨はいつまで降るのだろうか?





私はささやかに梅雨明けを願った。





新たな季節の訪れは、きまって梅雨の終わりの出来事など忘れさせてくれるのだから。


































mixiにUPした凄く昔の日記を、なぜか今になって読み返したくなり、そのついでにUPしてみました。


メロンパンの行がふと頭に思い浮かんだのがきっかけで、あの部分を書きたいがために作った文章です。


楽しんでもらえたのなら嬉しいなぁ^0^
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コメント

マルぴょんマジイケメン・・・と思ったのに作った文章かよお・・・

このたびはがっかりさせて誠に申し訳ございませんでした。

> マルぴょんマジイケメン・・・と思ったのに作った文章かよお・・・


がっかりさせてサーセンwwwwwwww

けどLさんは実際のお友達ですし、半分は事実が元です。

そこにメロンパンの材料を加えふっくら仕上げました;;

でも拙者、マルぴょんさんがイケメンだということは事実だと思うでござるよ~コポォwwwドゥフwww

なげえよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

2行にしろ2行にWWWWWWWWWWWWWWWWW

深夜1時過ぎの寝る前には最適な文章だな。
今日が週末ならふらっとドライブにもいけるのに…

Re: タイトルなし

お、もぐたんだ。いらっしゃいましー

龍もこれみたときまったく同じこといっとったわwww

アイナさんいらっしゃーい
よくアリアンで放置してるの見かけます。ぐへへ

寝る前にぺろんと読んで、コロっと寝てください^-^

さすがイケメン!!って言おうとしたのに
作った文章とかガッカリだよwwww

まるぽよさん元気そうでなによりでさぁ~
更新楽しみに待ってるわよ!!

Re: タイトルなし

> さすがイケメン!!って言おうとしたのに
> 作った文章とかガッカリだよwwww
> まるぽよさん元気そうでなによりでさぁ~
> 更新楽しみに待ってるわよ!!

たぶん8割 いや7割くらいは事実をもとにしてるお
がんばるお^-^

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マルぴょん

Author:マルぴょん
■プロフィール■
主の教えこそが世界を平和に導くと信じて疑わない「マルぴょん教」の教祖にして、悪の組織ショッカーの戦闘員であるとも言われる伝説の漢である…

■所属ギルド■
エンジョイプレイRS

■ギルドにおける職位■
客員提督(ゲストアドミラル, Guest Admiral)
近年においては一般ギルド員とも言う。

■ご職業■
ウィザード

■レベル■
推定690億
(東京ドーム7個分のビタミンC)

■好きな物■
ぬくもり(あなたの)

■得意な料理■
チャーハン
ペペロンチーノ
卵納豆

■趣味■
頭突き
墓参り
回転寿司

■好きな役■
リーチ
タンヤオ
ホンイツ

■好きな待ち■
ペンチーピン

■好きな体位■
ひみつ

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が食べたい

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